【インタビュー】KeNN、新境地へ――新曲「フタリノセカイ」に込めたピュアな衝動と、ポップスターへの足跡

アーティスト

前作1st EP『From Miseducation』からわずか2ヶ月。北海道遠軽町出身のシンガーソングライター・KeNNが、デジタルシングル「フタリノセカイ」をリリースした。デビュー曲「Something Wrong」が世界10カ国の主要プレイリストに選出されるなど、国内外から注目を集める新星だ。夜の帳の中で見つめ合う”フタリ”だけの濃密な時間を描いた本作の背景と、「KeNNの真実」について話を聞いた。

ピュアな衝動から生まれた「フタリノセカイ」

――EPリリースから約2ヶ月。今の心境を教えてください。

KeNN
自分の楽曲を集めたEPを出すのは大きな夢だったので、実現できて感慨深かったです。一つの作品集として音楽的ルーツをみんなとシェアできたことが幸せでした。

――新曲のタイトルもカタカナですが、こだわりがあるのでしょうか。

KeNN
世界の人にも目を向けて音楽を作っているので、難しい言葉は避けて直感的に響く言葉を選びます。海外の人にも伝わりやすい響きを意識して、タイトルをカタカナにしています。

――制作のきっかけは? 歌詞には<舞えば蝶のように、飽きるほどSlowly>や<熟れた果実を>など、大人っぽく艶やかなフレーズが並んでいますね。

KeNN
実はこの曲、大学2〜3年生の頃に独学でピアノを始めた時期のボイスメモが元になっています。AメロやBメロは当時の言葉をほぼそのまま使っていて、粗削りだけどピュアな気持ちが宿っています。ただ、当時から大人の恋愛をしていたわけでは全然なくて(笑)、「もし自分が恋愛ドラマの主人公だったら?」と実体験の種にイマジネーションを膨らませる作り方をよくします。映画を観終わった後に流れる主題歌を書くような感覚に近いかもしれません。

――愛情表現のインスピレーション源はありますか?

KeNN
実は恋愛映画よりアニメの影響が大きくて。特に『NARUTO』が大好きで、仲間との友情や大切な人を守る気持ちに子どもの頃から心を動かされてきました。

マイケル・ジャクソンへの憧れと、洋楽ルーツ

――今回のMVは前作と打って変わり、洗練された空間でのダンスが印象的です。ダンスの滑らかさに、どこかマイケル・ジャクソンのようなカリスマ性も感じました。

KeNN
MVは「自分一人の世界への没入」がテーマで、細かい振付は決めずに「自由に動いて」と言われて即興で撮ったシーンが多いんです。マイケルジャクソンは僕の中でずっと「一番カッコいい」存在で、子どもの頃に動画を擦り切れるほど観て真似していました。その礎が今も身体に残っているのかもしれません。最近公開された伝記映画も初日に観て、映画館でボロボロに泣きましたね。

――洋楽がKeNNさんの深いルーツなんですね。

KeNN
間違いないです。幼い頃から家ではブラックミュージックやR&Bが流れていて、ジャスティン・ビーバーやスティーヴィー・ワンダー、マイケルジャクソンといったポップスターに夢中になりました。歌唱力だけでなくダンスやパフォーマンスの才能も持つエンターテインメントの最高峰が、僕の音楽の根っこにあります。

シンガポールで得た、ライブへの確信

――今後ライブも控えておられますが、表現方法に変化はありましたか?

KeNN
バンドセットのライブは東京に来てからの新しい挑戦で、当初は「完璧にこなさなきゃ」というプレッシャーがありました。転機はシンガポールでの海外公演です。お客さんは音を細かく分析しに来ているわけじゃなく、まるで遊園地に来たような感覚でステージを楽しみたいんだと気づいて。「完璧にこなすより自分が一番楽しむ」マインドに切り替えたら、お客さんとの一体感が格段に上がりました。ちょっとしたミスすらライブならではの味に変えてしまえばいいんです。

――オフの日の息抜きや、プライベートの素顔について教えてください。

KeNN
仕事と休みの境界線があまりなくて、制作に煮詰まったら好きな曲を作ったりギターを弾いたりするのが息抜きです。あとはNetflixでアニメを観たり、バスケ観戦をするくらい。お菓子がすごく好きで、小食なので袋のお菓子一袋で夜ご飯として十分なんです(笑)。MBTIは大学生のときにやったら「ISFP」でした。マイケルジャクソンやBTSのジョングクと同じタイプなので、結果が変わるのが怖くてあえて封印しています。

「世界中にKeNNがロールモデルだと言ってくれる人を」

――残りの下半期、そして未来への決意をファンへのメッセージとともに聞かせてください。

KeNN
地元にいた頃はライブ経験もアーティストの友達もなく、一人で曲を作っていました。でも東京に出てきて、実力のあるアーティストとの対バンやクリエイターとの意見交換を通じて、「自分だけの強み」がはっきり見えてきました。楽器もダンスもアクロバットもできて、洋楽ルーツがあって、ステージを誰よりも楽しめる――。これから「KeNN」という唯一無二のブランドとして、圧倒的な存在へブラッシュアップしていきたいです。目指すのはマイケルジャクソンのような、世界中の誰もが知るポップスター。「僕のロールモデルはKeNNです」と言ってくれる人が世界中に現れる存在になりたいです。応援よろしくお願いします!

インタビュー・文・撮影:ごとうまき