いまさら説明する必要もないほどの大ヒット名作映画で、今更な感じ満載ですが、ミア役を演じたエマ・ストーンが結婚したといったニュースが先日話題になっていたし、やっぱり書かずにはいられない、『ラ・ラ・ランド』
現在、Netflix、Amazon prime、U-NEXTなどで配信中。
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誰もが人生の中で経験する”たられば”を美しく切なく描いたミュージカル作品
2016年度のアカデミー賞でタイタニックに並ぶ最多の14ノミネート、数々の賞を総なめしたとされる「ラ・ラ・ランド」この作品を観て、ミュージカル映画が好きになったといった人が続出!鮮やかで美しい色使い、ファッション、ジャズをベースにしたミュージック、ダンス、そして切ないストーリー、観る人のすべてを夢中にさせるラ・ラ・ランドの世界観、何度も観たくなるラ・ラ・ランドの見所についてまとめてみました。
幾度なくオーディションに落ちては落ち込み挑戦し続けるハリウッドを夢見る女優のミア(エマ・ストーン)といつかは自分のジャズの店を持ちたいと夢見るジャズマンのセブ(ライアン・ゴズリング)との甘く切なく儚い、ラブロマンスなミュージカル映画。
叶った夢と破れた夢、生きていると誰もが必ず経験する”たられば”、そして夢を追うすべての者たちにエールを捧げる物語。ハイウェイの渋滞にしびれを切らした人々が盛大に繰り広げるミュージカルからスタート、ここから一気に物語に引き込まれる。ボンネットがドラムにダンスステージに、クラクションが楽器に、盛大なダンス、このシーンには圧巻だ。またラストの約15分ほどのシーンは息が止まりそうになるほど美しく哀しくもある。
ある選択をし”何かを掴んだ”一方で”何かを手放した”といった経験をしてきた人、これから、今まさに経験しようとしている人たちの心にダイレクトに訴えるから、これほどまでに人々の心を鷲掴みにし夢中にさせたのだろう。”何かを得るには何かを捨てる”なんだか薄っぺらく聞こえるけれど、この作品を観てこの言葉が頭をよぎった。
人生における選択により必ず後悔はつきもの、もしあの時こうだったら、こうしていたらといった経験は生きていたら幾つも遭遇する。過ぎ去った過去、自身が選んだ道と運命には逆らうことができない、どうしようもない虚しさを、煌びやかで華やかな演出と音楽でカバーしている。
ラ・ラ・ランドの音楽そのものが、物語を表す作りになっている
この物語を語るに避けて通れないのが音楽、ジャズ通に言わせるとラ・ラ・ランドで使われているサウンドトラックは”ジャズではない”らしいだけど、私が聞く分にはいくつかの曲はジャズのコード進行を上手に使い、曲の構成も物語と同様によく考えられている。専門的な話は抜きにしてやはり”音楽が素晴らしい”の一言に尽きる!
特に冒頭のミュージカル曲”アナザー・デイ・オブ・サン”はこの物語を象徴する曲。夢を叶える、ただ、夢を叶えるのは主人公二人だけではなく、LAにいる全ての人が何かしら夢を追い叶えるために頑張って叶えるんだといった応援歌。ラ・ラ・ランドの音楽についての考察はコチラを参考にしてください。→音楽を深読みするとストーリーがひと味違って見える!?音楽から読み解く『ラ・ラ・ランド』
この先少しネタバレ入ります。まだ観ていない人はこの先は観ないで下さいネ
夢追い人へのエールの物語でもある
ミアのパリで女優として成功する前のオーディションで歌うシーン(曲=Audition)がある。この歌詞にはアーティスト・夢追い人への強烈なメッセージが込められている。そして翻訳が素晴らしい!ここのシーンは毎回泣けます。
セブの愛の深さ
もし、セブがミアにオーディションの話を伝えにミアの実家まで車を飛ばして行かなければ、無理やりミアをオーディション会場に連れて行かなければ、セブがあのままミアにオーディションの話を黙っていたら、二人はどうなっていただろうと考えてみた。そんなもの愛じゃなく、ただの執着で結局二人の関係はどのみち長くは持たなかっただろう。
『没頭しないと、全力で。君の夢だ』と言ってパリへの旅立ちを全力で送り出したセブ、これこそ本当の愛なんだな。
作品詳細
KANSAIPRESS編集部から
衣装、舞台、役者の表情・演技、華やかな映像美、カメラワークと全体的にレトロを意識した編集など監督、クリエイターたちの本気度が伝わってくる作品。ミア演じるエマ・ストーンのスタイルの良さにも見惚れてしまうし、音楽聞くと一緒に踊りだしたくなるし、ミアとセブの合唱にも口ずさまずにはいられないし、挙げるとキリがないくらいこの作品の全てが大好きです。この作品を観に劇場に過去3回(IMAX、爆音上映会などに)足を運びましたがこの自粛期間中にすでに二回Netflixで再生してます。どんだけ好きなんだ(笑)
文/後藤麻希