【いま大注目の大人に向けた絵本】「もしものせかい」ヨシタケ シンスケ 

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絵本作家でイラストレーターであるヨシタケシンスケさんの絵本「もしものせかい」が私たち大人に向けられた傑作ではないかと思い、今回書評として紹介しています。実際テレビ番組の中でも取り上げられて多くの反響があったそうです。絵本は文字数が少ないぶん、自分で考え思いを巡らせることができる。これは深いです。

そもそもこの本はヨシタケシンスケさん自身が落ち込んでいた時に、自分をなぐさめるために書いた本なんだとか。

この絵本のテーマ、『もしも なにかを なくしたら。もしも もどって こないなら』

喪失感を優しく包みこんでくれるような絵本

何度も何度も読み返してほしい。ヨシタケシンスケが描く新しいものがたり

 

ー少し前の私に、どうしても必要な物語でした。
ヨシタケシンスケ

やあ おはよう。
とつぜんでもうしわけないんだけど、
ボク もしものせかいにいくことになりました。

大事なものを突然失ったとき、思いがけない別れが訪れたとき。
心にぽっかりと空いた穴は、どうやって埋めたらいいんだろう。
ヨシタケシンスケの新たな世界。
何度も読み返したくなる優しい物語です。

『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)をスタートに、数々の大ヒット作を生み出し続ける絵本作家・ヨシタケシンスケの最新刊。
本書『もしものせかい』は、多忙な著者にとって、はじめて「誰かに依頼される前に生まれた物語」でした。
自身の悲しい経験により、この物語を描かないと先に進めない――つまり、少し前の“ヨシタケシンスケ”にとって、『もしものせかい』はどうしても描く必要のある物語だったそうです。
悲しみや喪失感を忘れようとしたり、もとの自分を取り戻そうとしたりするのではなく、その経験そのものをまるごと抱えて生きていくこととは? そして「その先」への思いが詰まっています。

「もしものせかい」を持つすべての人へ。
何度も読み返していただきたい、すてきな絵本ができあがりました。

(引用元=「BOOK」データベースより)

ヨシタケシンスケ : 絵本作家・イラストレーター。1973年神奈川県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。様々なジャンルで多数の著作がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

もしものせかい(定価900円+税)赤ちゃんとママ社

KANSAIPRESS編集部から
3人の子どもがいる我が家の寝る前の儀式は”絵本の読みきかせ”。長女が生まれてから少しずつ買ったり、もらったり昔私が読んでいた絵本を合わせると我が家にある絵本の数は100冊は超えるでしょうか?中でも子どもたちのお気に入りはヨシタケシンスケさんの絵本。「りんごかもしれない」にはじまり「「このあと どうしちゃおう」「なんだろう なんだろう」などヨシタケシンスケさんの世界感が私も大好きです。「もしもの せかい」は大人にこそ読んでもらいたい一冊。プレゼントにも良いかもしれませんね。

文/ごとうまき