【岡本圭人の役者魂に感嘆】主人公を体感するため、新潟から千葉400キロを4日間かけてロードバイクで縦断!

岡本圭人
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舞台「4000マイルズ〜旅立ちの時〜」が2023年1月7日(土)〜9日(月)まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演される。本作は2011年にオフ・ブロードウェイにて世界初演、2012年にオビー賞のベスト・ニュー・アメリカンプレイを受賞、2013年はピューリッツァー賞最終候補となり、以降、世界各地で上演されているヒューマンドラマの傑作が遂に日本で上演されることに!
舞台はアメリカ、西海岸から東海岸へ自転車で横断していた大学生のレオが、最終地点であるニューヨークに辿り着き、祖母・ヴェラのマンハッタンのアパートに現れる。人生を模索する大学生レオと、人生を十分模索してきた91歳のヴィラとの再会によって、それぞれに行き場を失っていた人生が取り戻されていく——。
演出を上村聡史が手がけ、出演には岡本圭人、森川葵、瀬戸さおり、高畑淳子が顔を揃える。
11月5日に主人公レオを演じる岡本圭人が取材会に出席。
前回取材したヴェラ演じる高畑淳子に続き、作品に対する思いや魅力を語ってくれた。
——本作の台本を読んだ時の感想は?
岡本
作者・エイミー・ハーツォグは人間を描くのがすごく上手な方だと思いました。そして台本を読んでいくうちに、それぞれの役に親近感が湧いてきました。最初は役として読んでいたのが、次第にそれぞれの登場人物が実在する人物に思えてきて、あぁ、これが脚本の力なんだと実感。
自分が感じたような気持ちをお客さまに届けられるように、レオという人物を役として生きたいと話す岡本、自身も作品をとても気に入っている様子だ。
——レオのキャラクターの魅力は?
岡本
レオは明るくて快活、そしてポジティブな人間です。だけど旅の途中で心に傷を負ったこともあってか、その明るさの中で時折見せる影が彼の魅力だと思うんです。
さらに岡本はレオを体現するために、周りも驚くような行動をとった。

レオの気持ちを知るために、新潟から千葉まで4日間かけて縦断する徹底的な役作り。

岡本
4000マイルズはキロにすると6400キロあるんですが、6400キロを自転車で二ヶ月以上かけて横断するってどういう気持ちなんだろう?と…。僕もそのような経験はありませんし、少しでもレオの気持ちがわかればと、この間日本海沿いにある新潟の町から千葉の海浜幕張公園まで4日間かけて、約400キロの距離をロードバイクで縦断しました。トンネルは怖いし、標高1000mぐらいの山を越えるところは辛かった。さらに山の中でサルが5匹ぐらい出てきて驚いたり…。本当に色んなことがあって大変で、もう絶対にやりたくありません(笑)。だけど、この経験のおかげで台詞の中の裏の意味などが理解できました。この経験によって、レオの気持ちが自分の思い込みでなく、実感でわかるようになりましたね。
——本作の魅力、好きなところは?
岡本
心に傷を負って、その気持ちをどこにも発散できないレオと、夫を10年前に亡くした喪失感からまだ立ち直れないヴェラ。世代の違う2人が出会い、コミュニケーションをとることによって、お互い傷を癒して次に進んでいこうとする‥。2人の関係性が物語の中で1番好きなところです。
——1番力を入れて取り組んでいる部分は?
岡本
本作は会話劇で、関係性を見せる舞台。ヴェラとレオが話している会話の流れ、人間らしい関係性が伝わるように、演出家の上村さん、高畑さんと話し合いながら試行錯誤し、創っています。

「高畑淳子さんは日本で1番の女優」

——ヴェラを演じる高畑淳子さんについて
岡本
ヴェラはお節介で優しくてアートが好きなおばあちゃん。知識も豊富で、レオもヴェラをリスペクトしている、とても魅力的な女性だと思います。現在、高畑さんと稽古場でご一緒させていただいていますが、高畑さんは日本一の女優さんだと思っています。毎日、高畑さんの本読みを聴いているだけで刺激を受け、高畑さんが台詞を発すると、その裏のことまで見えてくるんです。自分が高畑さんに影響を受けるだけでなく、高畑さんに少しでも影響を与えられるように稽古に励みます。そして一緒にこの舞台を作り上げていきたいですね。
さらに岡本は高畑との不思議な縁を語る…。
岡本
高畑さんと森光子さんと僕の父(岡本健一)が舞台で共演していた時、当時三歳だった僕の面倒を高畑さんが見てくださっていたんです。その頃から高畑さんは僕を見て下さっているという、言葉にできない親近感を感じています。
——舞台を通して伝えたいメッセージは?
岡本
人間誰でも心の中に闇やネガティブな部分を抱えていると思うんです。側から見たら明るい人生、キラキラした人生を過ごしているように見える人にも。表面には出さないけれど、そういった部分を本作のレオとヴェラも持っている。だけど人と人との付き合いによって、こういう暗い部分は解消されると思うんです。本作もレオとヴェラが会話していくことによってお互い救われていく。それによって観る人にもカタルシスを感じてもらえるのではないかと思っています。お客さまに“新たな舞台経験”を届けられるように、素晴らしいキャストとスタッフの皆さんで作り上げていきます。
本公演は2023年1月7日~9日、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。

公演概要・チケット

舞台『4000マイルズ~旅立ちの時~』

日程
2023年1月7日(土) ~ 9日(月・祝)
会場
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

公式サイト:舞台『4000マイルズ~旅立ちの時~』 | イベント | 関西テレビ放送 カンテレ (ktv.jp)

取材・文・撮影/ごとうまき