【一方通行の恋を描く】城定秀夫×今泉力哉「L/R15」の第1弾作品『愛なのに』

(C)2021「愛なのに」フィルムパートナーズ
映画

城定秀夫と今泉力哉が互いに提供された脚本でR15+指定のラブストーリー映画を監督するコラボ企画「L/R15」の第1弾。本作の『愛なのに』は脚本を今泉力哉が、監督を城定秀夫が手がけている。脚本を城定秀夫が監督を今泉力哉が務めた第二弾作品の『猫は逃げた』と本作に、それぞれのキャスト達が出演しあっているところにも注目したい。『愛なのに』『猫は逃げた』ともに全国劇場で公開中。

あらすじ

古本屋の店主の多田浩司(瀬戸康史)は店に足繁く通う女子高生の岬(河合優実)にラブレターをもらい求婚された。しかし浩司はずっと想いを寄せる一花(さとうほなみ)のことが忘れられない。そんな一花は亮介(中島歩)と婚約し、結婚式の準備に追われているが、実はウェディングプランナーの美樹と自分の夫が肉体関係であることを知らずにいた。ある日一花は亮介の浮気を知り、とんでもない行動に出る…。

色んな形の愛と恋、様々な一方通行の恋が交錯しながら一つの愛を導く作品

自分に好意があるとわかっている相手に対してよくいえば甘える、悪くいえば蔑ろに接してしまうのは、めちゃくちゃわかる。そもそも世の中の殆どの恋愛がシーソーのような関係じゃないだろうか。
一方通行の恋と登場人物を通して描かれる恋愛の“あるある”がおかしくって、切なくて、そしてちょっぴり愛おしい。

(C)2021「愛なのに」フィルムパートナーズ

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レビュー(ネタバレ注意)

一途な高校生に求婚される古本屋の店主 浩二。
古本屋の店主に想いを寄せられる結婚式間近の一花。
一花のイケメン夫亮介は夫婦を担当するウェディングプランナーと逢瀬を重ねる。
ひょんなことをきっかけに、一花は浩二と会って肉体関係を持つ。しかし、ここでバレてしまうのだ・・・亮介の下手くそなテクニックが。

(C)2021「愛なのに」フィルムパートナーズ

こういったケースって一定数いるんじゃないかなーって思いながら見ていた筆者。男女関係でのカラダの相性、肌の相性などはめちゃくちゃ大事、だけどそれが愛情に繋がるのかというとそれはまた別の話で(逆にそれがきっかけで始まる愛もあるけれど)…。
一花の気持ちもめちゃくちゃわかるし、一花の行動にはめちゃくちゃ笑える。
そしてあのウェディングプランナーの美樹は、そういう性癖なのかしら?情事後の会話は爆笑でした。しかしこんな女性が現実にいたらそれこそホラーだわ、人間不信になるわ。
そんな大人の打算や汚いものが蠢く下界と対等して描かれる岬の一途な愛と純粋さよ。そして岬演じる河合優実ちゃん、可愛いし演技も上手い!今後の活躍が益々楽しみだ。

(C)2021「愛なのに」フィルムパートナーズ

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愛なのに

監督:城定秀夫
脚本:今泉力哉 城定秀夫
キャスト:瀬戸康史、さとうほなみ、河合優実、中島歩、向里祐香、丈太郎、毎熊克哉
製作:2022年製作/107分/R15+/日本
配給:SPOTTED PRODUCTIONS

文/ごとうまき