【JPインタビュー】数多のモノマネがドラマの役作りに生きている「今作の役のイメージは天竺鼠の川原さん」

インタビュー
 10月16日からスタートしたカンテレ・フジテレビ系月曜よる10時放送、橋本環奈主演ドラマ『トクメイ!警視庁特別会計係』が新しい警察エンターテイメントとして注目を浴びている。
 このドラマは、緊縮財政の中で警察組織が経費削減のために特例命令を受け、警視庁のお荷物所轄と呼ばれる万町署で、“経費削減”テストを行うことになった。特別会計係の女性警察官・一 円(橋本環奈)が本庁から派遣されるが、そこでは不正行為や経費の使途不明がまかり通っている。ひと癖もふた癖もある個性豊かな刑事たちと共に、時にぶつかり合い協力して、事件を解決へと導いていくストーリー。
 今回、湯川(沢村一樹)率いる湯川班の刑事・大竹浩介 役で出演中のJPさんにインタビューを実施。JPさんと言えばダウンタウンの松本人志さんのものまねでブレイク中のモノマネ芸人だが、役者としての顔も持つ。今回役作りのために頭を丸刈りにしたというJPさんに、いまの心境や役への思いを語ってもらった。実際にお会いすると驚くぐらいに謙虚でサービス精神旺盛な方。JPさんの役者としての気概と優しいお人柄を感じるインタビューとなった。

最初は活字に溺れていた。

──このドラマへの出演が決まった当初、「ドッキリじゃないか!?」というくらいに大変驚かれていたとのことですが……、今の心境はいかがですか?
JP
ドラマの撮影が始まって2ヶ月経ちましたが、ようやく緊張が解けてきたかなという感じです。なにせ共演者の皆さんが第一線で活躍されている方ばかりなので、現場に最初に入った頃はめちゃくちゃ緊張しました。例えるなら、モノマネの大会にモノマネをやったことのない役者が突然現れて、「さぁ、同じ土俵に立ってモノマネで戦ってください!」と言われているようなものです(笑)。プレッシャーも凄かったです。しかし、決まった以上は腹を括るしかありません。今はとっても楽しくやらせていただいています。
──最初に台本を読んだ時の感想は?
JP
台本を手にした最初の感想は「難しい!」で、活字に溺れるような状況に陥りました。今まで、3文字以上の台詞は長いと思っていたので(笑)。しかし現在では、ただ文字を追うのではなく、大竹の感情や意図を理解し、どんな状況で言っているのかを感じることができるようになりました。説明的な台詞をスラスラと言うのにはまだ苦労していますが。
──『トクメイ!警視庁特別会計係』に出演することで新たな気づきや新鮮に感じたこと、あるいは大変なことは?
JP
僕はこれまで演技レッスンを受けたこともないので、その都度、学ばせてもらっています。これがドラマか!と驚いたことは、ドラマは目の動きやちょっとした表情だけで表現できるということ。右を向く芝居の時、最初は首ごと向けていたんです。その後映像で確認すると、皆目を少しだけしか動かしていなくて。目をちょっと動かすだけでも十分に伝わるんだと。カメラを意識して芝居をするという点で、お笑いとは全く違うということに気づきました。こういったことを教えてくださる方がいないので、自分で気付いていくしかないんです。

モノマネのレパートリーが役づくりにも生きている

──JPさんの細やかな観察力が役者の仕事にも生かされているのですね。
JP
役づくりの時には、自分の中でモデルを決めて作っています。坊主にする前はバナナマンの設楽さんのイメージでいましたが、髪を切ると設楽さんじゃない。そこで知人の刑事さんに聞いたところ、「独身で坊主で40歳、それでいて頭脳明晰って変態ですよ!」と言われまして(笑)。そこで自分の中でイメージしたのが天竺鼠の川原さん。川原さんのような何が飛び出すかわからないような人を演じようと。その時にこれまでのモノマネが役立ちましたね。これまでかなりの人数の方のモノマネをさせていただいているのでサンプルが沢山あって、必ずモデルがいるんですよ。あとは自分でアレンジを加えてオリジナルを作り上げるという感じです。
── 今の髪型はJPさんが希望されたそうですが。
JP
ポスタービジュアルの撮影時はまだ髪の毛が長く、監督さんからこの髪型で行こうと言われたのですが、結局自分から坊主にしました。なぜなら、今回のキャストの男性陣は全員180センチ以上なので、自分も特徴を出す必要があると思って。ただし、刑事ものの作品だったので髪型を派手にするわけにもいかず、やはり坊主しか選択肢がなくて……。坊主にしたことで、役に対する意識も変わりました。

大竹浩介は愛を伝えられない不器用な人

── JPさん演じる大竹浩介は口を開けばイヤミや皮肉ばかりを言うが、実は強行犯係の頭脳派。自分と似ている部分はありますか?
JP
頭の良さでいうと真逆ですが、性格は似ています。圧倒的に根暗で偏屈なところとか(笑)。素直に人を褒めたりできない天邪鬼な部分は、自分と近しいものを感じますね。例えば、徳重聡さん演じる中西翔のような喜怒哀楽がはっきりとした人物とはかけ離れているなと思ったりも。僕の場合は喜怒哀楽を隠してしまうので……。
── 大竹浩介を演じる上で、一番大切にしていることは?
JP
ドラマの撮影が始まって気が付いたことですが、大竹は湯川班の皆が大好きなんです。ただし、絶対にそれを口には出さないし、表には出さないんです。自分は弄ってもいいけど、周りが彼らを弄るとイラッとするみたいな。そんな気持ちを大切にすることで、自然と動きや台詞にも表れるのかなって思います。

役者として役に集中

── 撮影現場はどんな雰囲気ですか?
JP
和気藹々としていて、とても良い雰囲気です。時折周りにいらっしゃる役者さん方の立場を忘れてしまうほどです。いい意味で緊張しなくなったものの、まだ借りてきた猫のような感じですが(笑)。理想を言えばお芝居をバチっと決めて、楽屋ではモノマネで楽しめることができれば最高なんですが、まだまだそういった状況には至っていません。今は役者・JPとして役に集中しています。
── 共演者の皆さんからはどのような刺激を受けていますか?
JP
皆さんからはさまざまな刺激をいただいていますが、今回特に驚かされたのは橋本環奈さんのセリフの量です。橋本さんのセリフを繋ぎ合わせたら地球を二周半できるほどの膨大な量なのに、彼女はそれをスラスラと話し、さらに状況に応じて感情を込めて演じられている。多忙な中、ドラマの舵取りもしてくださり、演者だけでなくスタッフにも細やかな気遣いをされる姿勢は本当に見習うべきものです。
JP
おこがましいですが、橋本さんの力に少しでもなれたなら、という気持ちがあって。そのためにはせめてNGを出さないようにしているのですが、思えば思うほどNGを出してしまうんですよね。そんな時いつも橋本さんがアドバイスをしてくださいます。彼女のお人柄、役者としての姿勢や心意気、全てにおいて素晴らしく、本当に尊敬しています。

言霊を信じて、今後も夢を叶えていく。

── JPさんはまだまだ沢山の夢や目標があるとのことですね。
JP
ウルトラマン、仮面ライダー、戦隊ヒーロー、ジブリ、ポケモン、鬼滅の刃、MARVELヒーローに出ること。1個1個絶対に叶えていくつもりです。だけどモノマネ芸人はずっと続けていきます。不思議なことに、僕はこれまで言ったことが全部叶っているんです。やはり言霊はあると信じていますし、根拠のない自信を持つことが大事だと。例えば刑事の場合、試験をクリアして昇進するという明確な目標がありますが、芸能界には正解がありません。自分がこうなると決めたら、他の人に何と言われようと、ただやるしかありません。「海賊王におれはなるっ」ってことです。それに僕は今、とってもワクワクしているんですよ。きっと大竹浩介は絶対に口にしないでしょうけれど(笑)。
『トクメイ!警視庁特別会計係』はカンテレ・フジテレビ系にて毎週月曜よる10時から放送中。
インタビュー・文・撮影:ごとうまき