【野口五郎インタビュー】55年の集大成をオーケストラと共に届ける!

インタビュー

歌手、ギタリスト、そして研究者としてマルチな活躍を続けるレジェンド・野口五郎。今年でデビュー55周年を迎えた。2025年6月5日(木)東京文化会館 大ホールを皮切りに、兵庫、愛知、北海道で開催される「billboard classics 野口五郎 PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2025 KEEP ON DREAMING」は、フルオーケストラとの共演で新たな音楽の境地を切り開く記念碑的な公演となる。野口さんにコンサートに向けての思いや、音楽と科学への情熱などを語っていただきました。野口さんの魅力が凝縮されたインタビューをお届けします。

55周年とビルボードクラシックスへの挑戦

── デビュー55周年、おめでとうございます! この節目を飾るビルボードクラシックスでの初挑戦ですが、今のお気持ちを教えてください。

野口

ありがとうございます。55年、振り返るとあっという間でした。今回、ビルボードクラシックスという素晴らしい舞台に立てるのは本当に光栄で、ワクワクしています。これまで東京フィルハーモニー交響楽団の皆さんと数曲歌ったことはありましたが、全編オーケストラと共演するのは初めて。僕にとって大きな挑戦であり、新しい音楽の世界を開く機会です。こんなチャンスは滅多にないから。「絶対やりたい!」と即決でした。

── 長女の文音さんもピアニストとして参加されます。親子共演の心境はいかがですか?

野口

彼女はもう立派なピアニストで、僕は一人のミュージシャンとして接しています。小さい頃から僕の音楽を聴いて育ってきたので、音楽への姿勢や感覚が共有できている。やりやすい部分もあるけれど、ちょっと緊張もしています(笑)。大学を卒業してプロとして初の共演なので、楽しみですし、ありがたいなと思いますね。親子ならではの信頼感も感じますし。

── 指揮、編曲は渡辺俊幸さんが担当されます。渡辺さんの印象やアレンジの特徴を教えてください。

野口

渡辺さんとは以前ご一緒したことがあって、ポップスに精通しつつ、元ドラマーならではのリズム感が素晴らしい方です。話がしやすくて、アイデアがどんどん出てくるので、準備もスムーズでした。今回は僕の持ち歌からミュージカル、映画音楽まで幅広い選曲で構成。ポップスとクラシックの融合がどんな化学反応を起こすか楽しみです。各都市のホールの響きに合わせたアレンジも期待しています。

── 関西での公演は6月12日に兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホールで開催されますね。

野口
生のオーケストラの音を背中で浴びながら歌うのは特別な体験です大阪交響楽団の皆さんのエネルギーや思いを感じながら歌うので、普通のライブとは違う重みがあります。会場の響きや空気感も独特で、観客の皆さんにその臨場感を全身で味わってほしいですね。

『レ・ミゼラブル』の楽曲と新たな解釈

── セットリストにはミュージカル『レ・ミゼラブル』の楽曲が含まれ、特に「夢やぶれて」の選曲が印象的です。選んだ理由は?

野口
実は僕も意外だったんですけど、自分で提案しました(笑)。『レ・ミゼラブル』では初演でマリウス役を演じましたが、昨年、佐藤 隆紀さんのコンサートでジャン・バルジャンの「Bring Him Home」を一緒に歌う機会があって。時空を超えてマリウスとジャン・バルジャンが共鳴するような、深い愛おしさを感じたんです。時間の流れが感情や視点を変えてくれる。「夢やぶれて」は母性を歌う曲ですが、僕は不条理や人間の普遍的な感情を表現したい。日本では男性が女性の視点の曲を歌うことがありますが、海外では珍しいんです。この曲で新しい解釈を届けたいですね。

音楽と科学の融合DMVの探究

── 野口さんは研究者としてDMV(深層振動)や音響学にも取り組まれています。研究のきっかけは何でしたか?

野口
30年ほど前、ファンの方から「あなたの曲で元気になった」と言われたことがきっかけで興味を持ちました。音が人に与える影響に興味を持ち、音響学やヘルツを勉強。人間の可聴範囲(20Hz~20,000Hz)を超える音や、量子学、素粒子の世界に踏み込みました。そしてレコードからCDへの移行で、アンビエンスや倍音自然界の音)が削られることに危機感を覚えたんです。デジタル音は圧縮されてスカスカになる。それを補うDMVを開発し、心地よい音の揺らぎでグラデーションを作り出しています。今は秋田大学や高知大学で研究を進め、健常者にも効果的な音の可能性を探っています。

── 今回のコンサートでDMVは取り入れますか?

野口
おそらく流すと思います。オーケストラの生音だけでも十分素晴らしいのですが、DMVを加えることで、より美しく、身体に良い音を届けられるのではないでしょうか。会場がパワースポットみたいになればいいですね。音を通じてポジティブな影響を与えたいです。

──クラウドファンディングでDMVスピーカーのプロジェクトもあっという間に達成されましたね。今後の展開は?

野口
あっという間に目標達成できて、感謝しかありません。第2弾、第3弾も計画中で、もっと身近にDMVを体験できるものを目指しています。CDでは13Hz以下の低周波がカットされがちですが、僕の作品ではそこを意識。音楽と科学の架け橋をこれからも追求します。

多彩な活動を支えるエネルギーとは

── 2022年の「時代遅れのRock’n’Roll Band」での桑田佳祐さんらとの共演も話題でした。精力的に活動される野口さんの原動力は何ですか?

野口

あのバンドは最高でした! 桑田さんたちと音楽オタクの集まりで(笑)。僕が中学生でジミ・ヘンドリックスを弾いてたのを桑田さんは知ってて、ギターや音楽の趣味が合うんです。桑田さんから手紙で熱い思いを伝えられて集まった一回限りのバンドでしたが、最高の思い出。僕の原動力は「届けたい」という思いが全てです。音楽で最高の状態で思いを伝えたい。それがすべての活動の根っこです。

── 健康法や日々の生活で意識していることは?

野口
僕はオタクなんで、音楽や研究に没頭するのが健康法(笑)。そういえば桑田さんはボウリング、Charさんはゴルフとかやってますけど、僕は音と向き合うのが一番。好きなことをやるのが体にいいですよね。

未来への展望

── 『Goro’s By Myself 3』のジャケットではAIを活用してヒントを得られたそうですね。AIとの関わりは?

野口

AIは面白いですよ。ジャケットのアイデアを相談したら、想像を超える提案をしてくれて(笑)。AIは僕の座右の銘でもある積極的で楽観的で希望的な答えをくれるから、話してて楽しいんです。最近はスマホやPCにもAIが入ってるし、身近な存在。どこまで人が理解し、AIが寄り添えるか、試すのが楽しいですね。

── 55周年を迎え、今後の挑戦や展望は?

野口
これだけやってきたから、もう十分かな(笑)。でも、音の世界で人のためになれることを追求したいです。音楽も科学も、全部「音楽」。テイクアウトライブみたいな新しい試みも、人と繋がる形。音で誰かの心に届けられたら……。それが僕の人生です。

── ビルボードクラシックスの魅力と、関西のファンへのメッセージをお願いします。

野口

音楽は聴くだけでなく「浴びる」もの。オーケストラの生音を細胞レベルで感じて、耳で聴き、体で浴びてほしいです。一曲一曲が挑戦で、大阪交響楽団の皆さんとの対決でもあります。ミュージカル、映画音楽、エレキギターもガッツリやるので、こんなバトルは滅多にありませんよ。関西の皆さん、ぜひお待ちしています。

■タイトル: billboard classics 野口五郎 PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2025 KEEP ON DREAMING
■出演: 【出演】野口五郎 【指揮・オーケストラアレンジ】渡辺俊幸
■公演日時・会場: ①【東京】2025/6/5(木)東京文化会館 大ホール 開場17:00/開演18:00
②【兵庫】2025/6/12(木)兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール 開場17:15/開演18:00
③【愛知】2025/6/18(水)愛知県芸術劇場 コンサートホール 開場17:00/開演18:00
④【北海道】2025/7/3(木)札幌文化芸術劇場hitaru 開場17:00/開演18:00
■管弦楽・指揮: ①東京フィルハーモニー交響楽団
②大阪交響楽団
③中部フィルハーモニー交響楽団
④クリスタルスノー・スペシャルオーケストラ
■料金
(全席指定・税込) 一律13,000円(全席指定・税込)
※おひとり様1公演につき4枚まで
※未就学児入場不可 ※チケットはおひとり様1枚必要です。
学生席 2,000円  ※公演HPのみの告知、チラシや広告には基本掲載しません
※一般発売日より販売(公演により取扱いプレイガイドが異なります)
※おひとり様1公演につき1枚まで
※公演当日学生証をご提示ください
※対象:中学生~大学生・専門学校生(社会人学生を除く)
※客席後方の座席になります
※各公演枚数限定となります
※実際には4枚の予定
※当日学生証の提示とともに本人確認、引き換え
■注意事項 ※車椅子をご利用のお客様は、【お問合せ】先までお電話にてお問合せください。
※チケットはおひとり様1枚必要となります。チケットを紛失された方、または当日お忘れになった方はご入場できません。
※必ず公式サイトに掲載の注意事項をご確認の上、チケットをお求めください。
<ご来場のお客様へのお願い:https://billboard-cc.com/notice
■その他: ※上演時間・・・休憩あり、120分予定

■運営・お問合せ: 【東京】キョードー東京 0570-550-799(11:00~18:00/土日祝10:00~18:00)
【兵庫】キョードーインフォメーション 0570-200-888(12:00~17:00/土日祝休)
【愛知】サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(全日12:00~18:00)
【北海道】道新プレイガイド 0570-00-3871(10:00~19:00/火曜定休)
■公演HP https://billboard-cc.com/goro2025■公式Twitter: https://x.com/billboardcc
■公式Instagram:
■公式Facebook:
■一般情報解禁日: 2025年2月18日(火)17:00
■名義: 主催・企画制作:ビルボードジャパン(阪神コンテンツリンク)【北海道】道新文化事業社
後援:米国ビルボード

インタビュー・文・撮影:ごとうまき