【真田ナオキ インタビュー】10年の軌跡とこれから……「ファンと一緒に拍手を響かせたい」

アーティスト

2025年4月2日に発売された真田ナオキさんの新曲『Nina(ニーナ)』(作詞・作曲:吉幾三、編曲:矢野立美)は、歌手生活10周年を飾る記念すべき一作となっている。ピンクスネイク盤にはカップリング曲『昔・・・中洲で』(作詞・作曲:吉幾三、編曲:矢野立美)。ブルーストライプ盤には『羽根を下さい』(作詞・作曲:吉幾三、編曲:杉山ユカリ)、JD盤には『一匹狼のブルーズ』(作詞:増子直純、作曲:上原子友康、編曲:田代修二)が収録され、多彩な音楽性でファンを魅了する。本インタビューでは、新曲に込めた想い、師匠・吉幾三とのユーモラスなエピソード、10年間の振り返り、そして未来への展望を語ってもらった。真田さんの飾らない魅力と熱いメッセージをお届けする。

制作秘話

── 新曲『Nina』の舞台は横浜ですが、もともとはサンフランシスコが設定だったそうですね。この変化はどのようにして生まれたんですか?

真田

師匠(吉幾三)が最初にイメージしたのはサンフランシスコで、海外の女性を想定して作った曲だったみたいです。でも、僕が歌うことになって舞台が横浜に変わりました。恵比寿、渋谷、246号線を通って横浜に行くのかなと思ったら、実はそこまで深い意味はなくて(笑)。横浜でも元町あたりなので、246号線だとちょっと曲がりすぎちゃう感じですね。


── 『Nina』というタイトルも、最初は違っていたと聞きました。

真田

そうなんですよ。最初は「結婚する?」みたいなタイトル案もあったみたいです(笑)。師匠の曲って、名前がよく出てくるんですよね。今回は「Nina(ニーナ)」で。師匠の歌詞はいつも人間味があって、未練や情熱がグッとくるんです。


── 『Nina』では「ニーナ」という名前が14回出てきます。何か特別な意味があるのでしょうか?

真田

師匠が「Nina」を頭の中で何度も繰り返すような、忘れられない想いや未練をイメージしたんじゃないかなと。14回も出てくるから、毎回同じように歌うんじゃなくて、いろんな感情を込めました。幸せだった時の「Nina」、別れの日の「Nina」、喧嘩した時の「Nina」…それぞれ違うニュアンスで歌い分けてます。聞いてもらうと、14の「Nina」が全部違う表情に見えると思いますよ。


大人の男の色気を意識

── 歌い方にも色気や大人の男性の魅力が感じられます。どんな意識で歌いましたか?

真田

自分の特徴をどう出そうか考えました。師匠のデモとは全然違う歌い方を意識して、色気や自分らしさをプラスしました。師匠のメロディーは耳に残るし、矢野立美先生のアレンジもかっこいい。師匠と矢野先生のコンビは僕にとって王道で、安心感があるんです。このペアだと、自分の歌い方のコツがつかみやすいですね。


── 師匠からの具体的なアドバイスはありましたか?

真田

実は今回、師匠が明治座や新歌舞伎座の公演で忙しくて、レコーディングに立ち会えなかったんです。デビュー曲以来、初めて師匠がいないレコーディングとなりました。LINEで音声を送って「こう歌った方がいいよ」ってアドバイスをもらいましたが、ほとんど自由にやらせてもらって(笑)。師匠からは「ディレクターの言うことを全部聞かなくていい。自分のこだわりがあるなら『できない』って貫きなさい」って言われてて。その教えを守って今回も師匠に「できないです、できないです」って言いながら(笑)、こだわった部分を残しました。特にサビ前の「Oh Nina」のところは、毎回違うイメージで歌いました。


── 師匠には「できないフリ」をしてこだわりを通したのですね(笑)。ミュージックビデオも印象的でした。メイキング映像で高所恐怖症のエピソードが面白かったです。

真田

そうなんです(笑)。屋上で撮影したんですけど、めっちゃ低い手すりに寄りかかってドキドキしながら撮ったのに、全部カットされてました! せっかく頑張ったのに「撮らんでよかったやん!」って(笑)。でも、YouTubeでメイキングを見て笑ってもらえたら嬉しいですね。


── 衣装もピンクのヘビ柄が素敵でしたが、あれは何か意識したものですか?

真田

あれはスタッフさんが作ってくれたんですけど、今年がヘビ年というのを意識してくれたみたいです。僕自身はデザインしてないんですけど、ピンクのヘビ柄、派手でいいですよね(笑)。カッコつけるのは苦手なんですけど、着るとテンション上がります。


 

カップリング曲について

── カップリング曲『昔・・・中洲で』は福岡の中洲が舞台ですが、どんなイメージで歌いましたか?

真田

この曲は遊び心が詰まった可愛らしい曲ですね。師匠らしい音遊びがあって、レトロな雰囲気のアレンジが最高です。赤いビニールのソファがあるスナックとか、懐かしい昭和の風景が浮かびます。歌ってて楽しくて、聴いてる人もニヤッとしちゃうような曲だと思います。


── 『羽根を下さい』は拉致問題をテーマにしたとても意味深い曲ですね。このタイミングで歌う意味は?

真田

師匠から「この曲は絶対に歌い継いでくれ」って言われてたんです。ファンからも「CDに入れてほしい」って声が多くて、今回収録しました。歌詞を見ると胸が締め付けられるけど、風化させちゃいけない出来事を忘れず、平和を願う気持ちで歌いました。10周年の記念作品として特別な一曲です。アレンジはほぼ原曲と同じですが、使ってる楽器が少し違ったりして、微妙な新鮮さもあります。


── JD盤の『一匹狼のブルーズ』は増子直純さんとの初コラボですね。きっかけは?

真田

昨年11月にテイチクレコードで偶然、増子さんにお会いして。デビュー当時、増子さんが「いい声してるな」って言ってくださったことを聞いてたんですけど、なかなか会えずに。やっとご挨拶できて、アルバムを渡したら「やっと会えたよ!」って言ってくださって。調子に乗って「曲書いてもらえますか?」って聞いたら、快諾。増子さんのしゃがれた声とロック魂が詰まった曲で、演歌や歌謡曲を歌う自分にも刺さるし、時代遅れと言われてもがむしゃらに進む気持ちが込められてます。応援歌として多くの人に響くと思います。


── 増子さんからは「昭和っぽい魅力がある」って評されてましたね。

真田

そうなんですよね。自分でも時代に合わないなって思いながら生きてるんです(笑)。でも、昭和の良さを懐かしむ人や、若い世代でも「なんかいいな」って感じてくれる人がいる。そういう人たちに刺さる曲だと思います。歌ってて気持ちいいし、シンプルにかっこいい曲ですよね。


歌手生活10年を振り返って……

── 10周年を迎えた歌手生活を振り返って、一番辛かった時期は?

真田

やっぱりコロナ禍ですね。ライブができない時期は「なんで歌っちゃいけないんだろう」ってずっと思っていました。音楽って、しんどい時に聴いて元気になれるものなのに、届けられない葛藤が辛かった。配信ライブだとカメラの向こうに誰がいるかわからないし、スタッフさんも笑わないようにしてるから、カメラマンさんの肩が震えてるのが唯一の救いでした(笑)。そこから2年半〜3年くらいでようやく観客の皆さんと一緒に楽しめるようになって、今は本当に楽しいです。


── コロナ禍を乗り越えて、歌に対する向き合い方や人生観で変わったことは?

真田

自然体になりました。デビュー当時は「聴いてくれてありがとう」って感じだったけど、今は「また聴きたい」と思ってもらえるように歌いたい。お客様も聴きたいから来てくれる。だから、お互いに楽しむ場を作りたい。演歌歌手って礼儀正しいイメージがあるけど、楽屋ではもっと砕けてる人もいるんですよ。自分をそのまま出してもいいのかなって、10年で怖さがなくなりました。師匠もそんな感じですしね。


── 師匠の吉幾三さんからはユーモアも受け継いでるんですね。

真田

そうですね、師匠はユーモアの塊! 舞台の打ち合わせでもトークのことしか話さない(笑)。レコーディングでも「早く歌えよ、終わったら飲みに行こう!」って。現場はいつも笑いに溢れています。たまに「5分前に行くから!」ってLINEが届いても来なかったり(笑)。適当だけど、めっちゃ好きですね。そんな“吉イズム”が僕にも染みついてるんだと思います。


サマーツアーの魅力

── 7月のサマーツアーも楽しみです。どんな内容になりそうですか?

真田

東京、大阪、福岡、名古屋の4会場で、会場ごとにしか聴けない曲も用意します。生のバンドなので、ボーカルなしでも完成度の高い音に僕の歌をのせるから、熱いライブになると思います。セットリストはまだ決めていないんですけど、ファンの皆さんのリクエストでカバーした『セクシャルバイオレットNo.1』とかも候補でしょうか。SNSで一番リクエストが多かった曲で、歌ったら「めっちゃ合う!」って好評でした。


── 歌手生活10周年。今後克服したいことや挑戦したいことは?

真田

やっぱり高所恐怖症ですね(笑)。スカイダイビングに挑戦したけど、結局飛べなかったんですよ。怖いけど、克服して笑ってもらえたらウィンウィンかなって。誰かが怖がってる姿って、ちょっと面白いじゃないですか(笑)。YouTubeでそういう企画もやってみたいですね。


── 35歳、年男として理想の男性像は?

真田

50代、60代で、純喫茶でモーニングを食べてる男性。注文しなくても「いつもの」って出してもらえるような、かっこいい大人になりたいです。


── 筋トレもされてるそうですが、きっかけは?

真田

写真集の撮影に向けての準備です。野球やゴルフは好きだけど、筋トレは正直渋々やってます(笑)。でも、やってるうちにちょっとハマってきたかも。


── 最後に、2025年の目標を教えてください。

真田

紅白や日本レコード大賞はもちろん目標ですが、そこだけ追うのではなく、目の前のお客様と楽しむことを一番にしたいと思うようになりました。10年間の感謝を伝えて、「出会えてよかった」「また聴きたい」って思ってもらえるように歌を届けたい。そこから輪が広がって、みんなで熱くなれるステージにできたら……最高ですね!


リリース&ライブ情報

2025年4月2日(水)発売 「Nina(ニーナ)」
3形態同時発売  価格各:¥1,550 (税抜価格¥1,409)
■ピンクスネイク盤 TECA-25011
1.Nina      作詞・作曲:吉幾三 編曲:矢野立美
2.昔・・・中洲で  作詞・作曲:吉幾三 編曲:矢野立美
3.Nina (オリジナル・カラオケ)
4.昔・・・中洲で (オリジナル・カラオケ)
■ブルーストライプ盤 TECA-25012
1.Nina  作詞・作曲:吉幾三 編曲:矢野立美
2.羽根を下さい  作詞・作曲:吉幾三 編曲:杉山ユカリ
3.Nina (オリジナル・カラオケ)
4.羽根を下さい (オリジナル・カラオケ)
■JD盤 TECA-25013
1.Nina  作詞・作曲:吉幾三 編曲:矢野立美
2.一匹狼のブルーズ 作詞:増子直純 作曲:上原子友康 編曲:田代修二
3.Nina (オリジナル・カラオケ)
4.一匹狼のブルーズ (オリジナル・カラオケ)2025年7月2日(水)発売 「Nina(ニーナ)」
2形態同時発売  価格各:¥1,550 (税抜価格¥1,409)
■エンヤコラ盤 TECA-25018
1.Nina 作詞・作曲:吉幾三 編曲:矢野立美
2.エンヤコラブギー 作詞・作曲:ゆあさみちる 編曲:田代修二
3.Nina (オリジナル・カラオケ)
4.エンヤコラブギー (オリジナル・カラオケ)
■ギクシャク盤 TECA-25019
1.Nina 作詞・作曲:吉幾三 編曲:矢野立美
2.ギクシャク 作詞:岩井薫 作曲:梶原茂人 編曲:田代修二
3.Nina (オリジナル・カラオケ)
4.ギクシャク (オリジナル・カラオケ)「Nina(ニーナ)」ミュージックビデオ
https://youtu.be/sJxLVkUjQGE
各音楽配信サービスにて配信中
https://lnk.to/sanada_E505
<真田ナオキ 2025NAOKIサマーツアー>
■東京編2025年7月3日(木) ティアラこうとう大ホール
開場15:30 開演16:30
全席指定 S席8,800円 A席7,700円(各税込)
お問い合わせ ㈱ ベルワールドミュージック 03-3222-7982
■大阪編2025年7月5日(土) 東大阪市文化創造館 大ホール
開場13:30 開演14:00
全席指定 8,800円(税込)
お問い合わせ T-プランニングチケットセンター 0570-05-5750
■福岡編2025年7月7日(月) 福岡市民ホール 大ホール
開場13:30 開演14:00
全席指定 8,800円(税込)
お問い合わせ T-プランニングチケットセンター 0570-05-5750
■名古屋編2025年7月9日(水) Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
開場13:30 開演14:00
全席指定 8,800円(税込)
お問い合わせ T-プランニングチケットセンター 0570-05-5750YouTube https://www.youtube.com/@sanadanaoki_official
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インタビュー・文・撮影:ごとうまき