【インタビュー】梅谷心愛、18歳の進化。新曲「星空のルビー」で封印した“こぶし”と、その先に見える新たな景色。

インタビュー

デビューから3年半。まっすぐな歌声で演歌界に旋風を巻き起こしてきた梅谷心愛(うめたにこころ)が、18歳という大きな節目を迎えた。3rdシングル「星空のルビー」は、これまでの演歌歌手・梅谷心愛のイメージを覆すような、王道の昭和歌謡テイスト。彼女は今、どのような想いで自身の進化と向き合っているのか。レコーディングの裏側からプライベートの素顔まで、たっぷりとお話を聞きました。

拳をゼロに。技術的な進化と内面の変化

―― 18歳、おめでとうございます!この3年半で、歌はもちろん、女性としての雰囲気も備わりぐっと大人っぽくなられましたね。ご自身ではどう感じていますか?

梅谷
ありがとうございます!歌の変化については、技術的な面で大きな手応えを感じています。デビュー作の「磐越西線ひとり」の頃は、とにかくまっすぐ声を前に飛ばす歌い方だったんです。でも、それだけでは表現として足りないなと気づいて。前作の「秘密の花」あたりから柔らかく丸みのある歌い方を意識し始めて、今回の「星空のルビー」ではミックスボイスや裏声を使い分けることができるようになりました。以前はやりたくてもできなかった技術なので、先生のご指導のおかげで進化したなと実感しています。

―― 内面的な部分での変化はいかがですか?

梅谷
 デビュー当時は全く余裕がなくて「自分、自分!」という感じになっちゃっていたんです(笑)。でも最近は、何かハプニングが起きても「一回落ち着こう」と冷静になれるようになりました。何でも一人で抱え込もうとせず、信頼できるマネージャーさんやスタッフさんに頼れるようになったのも、大きな成長かなと思います。

王道の昭和歌謡「星空のルビー」に込めた考察

―― 新曲「星空のルビー」を初めて聴いた時、かつての山口百恵さんや高田みづえさんのような、切なくも美しい昭和歌謡の情景が浮かびました。

梅谷
本当にその通りで、私も初めて聴いた時に「すごい、昭和歌謡じゃん!」って思いました(笑)。今回はスピード感のある王道の歌謡曲。ファンの方々からも「青春時代に戻ったみたいで懐かしい」と言っていただけるのがすごく嬉しいです。

―― 今作では拳(こぶし)を封印されたとか。

梅谷
そうなんです!今まではガンガン拳を入れていたんですけど、この曲でそれをやると世界観が壊れてしまう。作曲の幸耕平先生からも「入れない!拳は入れない!」と何度も言われました(笑)。癖でどうしても入っちゃうので、レコーディングは本当に苦戦しましたね。

―― 歌詞の世界観については、どのように解釈して歌っているのでしょうか?

梅谷
タイトルの「星空のルビー」は、歌詞にある「ルビーが赤く瞬く やがてこの翼の灯」からきているんです。私なりの考察ですが、失恋した女の子が夜空を見上げて、あんな恋もあったな、こんな失恋だったな……と思い返している様子を描いています。18歳の私にはまだ想像もつかない大人の世界だったので、周りのスタッフさんに「好き、いじわる、なぜ、さよなら……って、どんな気持ちですか?」と体験談を聞いて回って、自分なりに膨らませて歌いました。

地元への想い、そしてリズムに苦戦したカップリング曲

―― カップリング曲についても聞かせてください。「博多ごころ」は、まさに地元・福岡が舞台ですね。

梅谷
作詞の売野雅勇先生に、私が見てきた地元の景色をお話しして書いていただいたんです。祇園山笠や博多どんたく……3歳の頃にお父さんに担がれて参加したお祭りの記憶や、中川沿いの風景がそのまま歌詞になっています。ただ、歌うとなるとめちゃくちゃ音域が広くて難しい!いまだにキャンペーンで歌う時は緊張します(笑)。

―― もう一曲の「追憶の夏」も、また違った雰囲気です。

梅谷
これは林間学校での淡い初恋を振り返るような、甘酸っぱい曲です。独特なリズムの刻み方が難しくて、レコーディングでは幸先生がブースに入ってきて、私の背中を叩きながらリズムを教えてくださったほどです。

―― 梅谷さんご自身の学生時代の淡い恋の経験が活かされていたり……?

梅谷
それがあれば良かったんですけど……残念ながらないんです!(笑)中学の頃からデビューに向けて歌一筋だったので、恋愛する余裕はどこにもなくて。でも、歌を通じて同世代の子たちが感じるような感性や価値観を学んでいる感覚です。

美空ひばりさんへの憧れ、そして未来へ

―― 歌への情熱といえば、以前から敬愛されている美空ひばりさんへの想いは今も変わりませんか?

梅谷
ますます強くなっています。最近は、好きで歌っていた頃とは違う視点でひばりさんの凄さに気づかされるんです。「このパフォーマンス、こんなに難しかったんだ」って。特に「みだれ髪」は、何度歌っても納得できる表現に辿り着けません。ひばりさんのような繊細な表現力を身につけるには、もっと人生経験を積まないといけないのかな、とも感じています。

―― 今年はミュージカルにも挑戦されるなど、表現の幅を広げていらっしゃいますね。

梅谷
 歌やダンスを交えたお芝居も楽しかったのですが、次は本格的なお芝居にも挑戦してみたいです!話すことも大好きなので、いつかバラエティ番組にも……。でも、まずはトークをもう少し磨いてからですね(笑)。

等身大の梅谷心愛を見せていきたい

―― プライベートで今後やってみたいことはありますか?

梅谷
 カメラを買いたいんです!ミラーレス一眼を買うって、もう決めています(笑)。5月、6月あたりに少し落ち着いたら、カメラを持って旅に出たいですね。ハマっちゃうタイプなので、今からワクワクしています。

―― 最後に、20歳に向けての目標を教えてください。

梅谷
歌に関しては、先生方とのレッスンで見つけた新しい歌い方を自分のものにして、梅谷心愛だからこそできる表現を確立したいです。衣装も、デビュー時の背伸びしたスタイルから、18歳の等身大の私に合うような淡い色合いのものに変わってきました。進化した姿をぜひ見ていただきたいです!

【インタビュー後記】

取材中、コロコロと表情を変えながら天真爛漫に話す姿は、まさに18歳の少女そのもの。しかし、歌の話になるとその瞳にはプロとしての鋭い光が感じられました。こぶしを封印し、新たな歌唱法に挑んだ今回の新曲は、彼女が天才少女から一人の表現者へと脱皮する、重要なマイルストーンになることでしょう。

インタビュー・文・撮影:ごとうまき