【世界崩壊と家族再生】『グリーンランド 地球最後の二日間』

エンタメ

壊れていた夫婦の再生と家族愛の物語なんだけど、そのきっかけとなるのが“隕石衝突による世界崩壊”、48時間後に地球がなくなってしまうという。

このような状況になった時「自分ならどうするか?」という常に自問自答を繰り返すような作品である。

 

あらすじ

突如現れた彗星の破片が隕石となり地球に衝突。さらなる巨大隕石による世界崩壊まで残り48時間に迫る中、政府に選ばれた人々の避難が始まる。建築技師の能力を見込まれたジョン・ギャリティ、そして妻のアリソンと息子のネイサンも避難所を目指して輸送機に駆けつける。シェルターに入ることを許されたギャラティ一家をはじめとする選ばれし者たち。スムーズに輸送機に乗り込むはずだったギャラティー一家、ところが糖尿病の息子のインスリンを車に取りに戻ったことから物語はとんでもない展開へと進む。

(C)2020 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

非常事態により浮き彫りになる人間の善と悪

「アルマゲドン」や「ディープインパクト」も隕石によって地球が崩壊?!でおなじみの作品であるが、本作はさらに起こるだろう事柄を緻密に再現し、リアルに描いている。

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非常事態下での人間の善と悪、隕石衝突により“死”を目の前にした時に人々がどのような行動をするのかーー。そこには人間の愚かさや恐ろしさ、本性剥き出しの姿がありありと描かれている一方で超危機的状況になっても善人であり続ける者も存在する。カナダへ向かうトラックの荷台でのシーンではこのように善人悪人の対極の人たちが描かれていた。

本作では隕石衝突をテーマとしているが東日本大震災の原発のニュースが出た後の東京のスーパーの状況、はたまた今回のコロナによるパンデミックからもわかる様に、生死を脅かされる状況で人々がパニックに陥った時に人間の本性が炙り出される。あぁ、恐ろしや。

日本では大地震も富士山噴火も、もういつ起きてもおかしくないわけで、我々は常に死と隣り合わせで生きているのだ。“これが日本だったなら…”と考えられずにはいられない。リアリティ溢れる展開と臨場感によりなんとも言えぬ興奮と高揚感でアドレナリンが出まくりな映画体験を。いま劇場で観るべきおすすめの一本だ。

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『グリーンランド 地球最後の二日間』

監督:リック・ローマン・ウォー
キャスト:ジェラルド・バトラー、モリーナ・バッカリン
製作:ジェラルド・バトラー アラン・シーゲル セバスティアン・レボ ベイジル・イバニク
原題:Greenland
製作:2020年製作/119分/G/アメリカ
配給:ポニーキャニオン

文/ごとうまき