笑って、爆笑して、時々泣いて、
あらすじ
福島県南相馬市に実在する映画館「朝日座」 は100年近く地元の人々と共に歴史を刻んできた。 支配人である森田保造(柳家喬太郎) はシネコン全盛の時代の波に逆らえずに遂に映画館を閉めることを 決意した。そんな矢先、茂木莉子(高畑充希) という女性が経営に傾いた「朝日座」を立て直すと突如現れる。 その背景には彼女の恩師(大久保佳代子)との約束があった。 しかし、朝日座はすでに閉館が決まっており、 打つ手がない森田も閉館の意向を変えるつもりはないという。 茂木莉子はクラウドファンディングを使いお金を集めようと奔走す るーー。
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(C)2021「浜の朝日と嘘つきどもと」製作委員会
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映画がなくても人は生きていける。確かにそうだ。 だから震災やコロナなど、 未曾有の危機的状況下では娯楽は後回しにされるのは致し方ない。 だけど映画は心を満たすことができる、そして時には人々を救い、 生きる希望だって見出せる。
この世の大半が“正しさ” だけでは割り切れないことで成り立っている
「暗闇の中で紡がれる嘘の物語に他人が集まり笑って、ときに、 涙する」
なにせセリフが秀逸で、 溢れる言葉の宝石達に何度もハッとさせられる。東日本大震災、 原発、外国人の労働問題、偽装結婚、 などといった社会問題も織り込みながらも、 最後にはちゃんとハッピーにさせてくれるんだから。なんだ、 作品にタナダユキ監督の多彩な才能と魅力的な人柄が滲み出てるじ ゃん。
また新作落語のようにも感じられる柳家喬太郎の語り口と大久保佳 代子の絶妙な存在感が本作にユーモアと軽やかさを与えている。
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暗闇の中の空間流れる嘘の物語に他人が集まり、時に涙し、 笑い合う。半分残像の嘘の物語に救われている映画好きたちは「 根暗」と言われれば、確かにそうなのかもしれない。 だけどその根暗たちの心は豊さに満ち溢れているんだと信じたい。 そう、私だって数多くの映画に救われている一人だ。配給会社、 映画館、劇場など、 映画に携わる全ての人に捧げたラブレターだ。
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浜の朝日の嘘つきどもと
監督:タナダユキ
脚本:タナダユキ
原作:田島列島
キャスト:高畑充希、柳家喬太郎、大久保佳代子、甲本雅裕、佐野弘樹、神尾佑、竹原ピストル
製作:2021年製作/114分/日本
配給:ポニーキャニオン
オフィシャルサイト:映画『浜の朝日の嘘つきどもと』公式サイト (hamano-asahi.jp)
文/ごとうまき