【舞台となった大阪】『COME&GO カム・アンド・ゴー』12月3日からテアトル梅田ほか公開!

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平成最後の春の大阪キタを舞台に多国籍多言語が飛び交う群像劇『COME & GO カム・アンド・ゴー』が11月19日(金)からヒューマントラストシネマ渋谷で、12月3日(金)からテアトル梅田、12月4日(土)からシネ・ヌーヴォ、12月10日(金)から京都シネマにて順次公開される。大阪が舞台になった本作は特に関西圏に住む人には是非目にしてもらいたい作品だ。今回の記事では本作の魅力とメッセージに触れたい。

本作の魅力

本作には大阪の魅力がたっぷり詰まっている。例えば水の都大阪を堪能するクルーズ船、ダイナミックに飛びゆく飛行機、電車が行き交うシーンなど、映像だけでも大阪の特徴が表現されていて、普段目にする風景や場所、建物が幾つも映し出される度に、大阪に馴染みのある人は思わずニヤリと、大阪愛の心がくすぐられるはず。一方で大阪を詳しく知らない人にとっては大衆イメージの印象が強いミナミや道頓堀の風景とはまた違った大阪の顔が見られるだろう。
またロケ地となった中崎町や官公庁街のお膝元中之島や淀屋橋、歓楽街の北新地や日本一長い天神橋筋商店街、お初天神商店街など計100箇所以上のロケ地を20日間で撮り終えたという。そんな敏腕監督リム・カーワイは現在新たな作品に取り掛かかり沖縄〜北海道を横断中、撮影の合間をぬって舞台挨拶に駆けつけてくれるとのこと。マレーシア出身の彼がファインダー越しに見た日本の趣をどのように描き昇華するか、次回作も楽しみである。

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撮影が行われた平成最後の春、コロナパンデミック前には多くの外国人が日本を訪れ、中でも大阪はアジア圏から絶大な人気を誇っていた。
そんなアジア各国の(中国、香港、台湾、韓国、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ネパール)俳優や歌手、モデルが競演しそれぞれの物語が紡がれるのだが、その内容は挫折や裏切りや搾取といった綺麗とは程遠いディープでセンセーショナルなもの。敢えてユーモラスに描き出すところにもリム監督のキラリと光る手腕と即興で演じた役者達の実力が感じられる。

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伝えたいメッセージとは

ここ10年で大阪の街も人も大きく変化した。とりわけ人々の他者に対する無関心はマスクで顔が覆い被されることでより深刻化しているように感じる。誰もが自分のことで精一杯。そしてその“無関心”は日本に住む、又は日本に訪れる外国人に対しても向けられているとリム監督は言う。確かに、私たちは彼らを(彼らも)互いに理解しようとしていたのだろうか、本作を観て自問自答せずにはいられない。
大阪駅の電車が行き交うように、それぞれの物語、涙や悔恨、愛と憎しみが交錯し、やがて一筋の光が道を照らしだす。ラストに映し出される桜が“希望”なのだろうか。
リム・カーワイ監督とアジア各国の俳優たちが奏でる“交響曲” によって、あなたももっと大阪が好きになるはず。さあ、劇場にカム・アンド・ゴー!

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COME & GO カム・アンド・ゴー 作品概要

監督・脚本・プロデューサー:リム・カーワイ
エグゼクティブプロデューサー:毛利英昭、リム・カーワイ
撮影:古屋幸一
キャスト:リー・カンション、リアン・ビン・フィアット、J・C・チー、モウサム・グルン、ナン・トレイシー、ゴウジ―、イ・グァンス、デビッド・シウ、千原せいじ、渡辺真起子、兎丸愛美、桂雀々、尚玄、望月オーソン、天人純
製作:2020年製作/158分/日本・マレーシア合作
配給:リアリーライクフィルムズ、Cinema Drifters
原題:Come and Go

 

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文/ごとうまき