【11月19日 遂に劇場公開】大阪を舞台にサバイブ!『Come & Go カム・アンド・ゴー』

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『Come & Go カム・アンド・ゴー』11月19日から東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開!

第33回東京国際映画祭、第16回大阪アジアン映画祭、ジャパンカッツ2021オフィシャルセレクションに選出され話題を呼んだリム・カーワイ監督作品『Come &Go カム・アンド・ゴー』が11月19日から東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開されることが決まった。本作は大阪キタを舞台にしたアジア各国と日本の9カ国の人々の群集劇だ。当メディアはこれまでに本作のクランクインからクランクアップ、映画祭や監督を取材してきた。待ちに待った劇場公開とのことで感慨深いものがある。

ナン・トレイシー(ミャンマー)(C)cinemadrifters

大阪梅田周辺で空を見上げると伊丹空港から行き交う飛行機を1日に何機も目にする。それも頭の真上を飛行機がダイナミックに通り過ぎる。
梅田からは新大阪駅や伊丹空港へもアクセスが良く、神戸や京都にも30分もあれば着く。買い物するにも一箇所で完結し、安くて旨い地元に根付いた名店も多い。ストレートな物言いと、それでいて貪欲なほどに笑いを求め、与えようとするサービス精神旺盛な大阪の人々。大阪のおもしろさ、住みやすさや利便性の良さは東京都心に長く住んだ筆者だからこそより痛感している。
本作はそんな愛すべき大阪の空の下、様々な電車が行き交うように、多国籍多言語の市井の人々の物語がシンクロし、共鳴しあう。
描かれるのは外国人労働者の苦悩やハーフのアイデンティティ、老後の問題や性風俗関連、新型コロナウィルスの打撃によってより深刻化した女性の貧困、まさに大阪の空の下で繰り広げられる搾取や裏切りのダイバーシティと、ほんの少しの思いやり。
そこから浮かび上がるテーマが人々の“共生”と‟希望”(外国人との共生の前に、まさか新型コロナウィルスと共生することになるなんてなんとも皮肉だが・・)だ。

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メガホンをとったリム・カーワイ監督はこれまでに大阪を舞台にした作品を二作品制作し(「新世界の夜明け(2012)」「Fly to Minami 恋するミナミ(2013)」)、本作が大阪三部作のうちの最終作となる。マレーシア出身で、世界各国を流れるように旅をしながら映画を撮り続け、現在も大阪に住んでいるという監督、そんな彼ならではの鋭い視点から描かれた本作は、ある人にとってはデジャヴで、ある人にとっては日常で、はたまたある人にとってはカオスな世界。この光景からやんわりと私たちに”何か”を訴えかけている。

特筆すべき点として、本作は中国、香港、台湾、韓国、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ネパールのアジア各国の俳優や歌手、モデルが出演している。リム監督は彼らを各国から大阪に呼び、100箇所以上のロケ地で、僅か20日間という短期間で撮影を終えたという。事務的な諸々の作業も(キャストの飛行機やホテルの手配など)全て一人でこなすという超人レベルの処理能力の高さ、人望の厚さと豊かな才能を兼ね備えるリム氏には(ちなみに5カ国語を操るという)思わずひれ伏したくなるほどである。

本作は160分と長尺ではあるが、冗長でないところにもリム監督の手腕が発揮されている。また今作でも「映画流れ者(シネマ・ドリフター)」らしい、監督独自のスタイルである即興での演出が用いられ、偶然やインスピレーションを見事に昇華させた。

リー・カンション(台湾)(C)cinemadrifters

リエン・ビン・ファット(ベトナム)(C)cinemadrifters

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手と手を取り合いサバイブする

撮影されたのは2019年の春の平成から令和に変わろうとする只中。2020年突如現れた見えない難敵、新型コロナウィルスによって、かつてのように多くの外国人でひしめき人々が行き交う光景は幻となった
あの手この手で私たちを脅かし続ける憎き新型コロナウィルスによって、私たちのこれまで信じてきたあらゆる価値観はひっくり返り、信条や築き上げてきた様々なモノ、人間関係さえもぶち壊した。
本作のように騙し騙され、傷つけ合いながらも、人は人を求め合い、触れ合おうとする。今こうして物理的距離を強いられようとも、私たちは繋がりたい、触れ合いたい、温もりが欲しい・・・。そして、こうした思いは国境を超える。
移り変わりゆく価値観や時代の中で私たちはこれまでも、これからも、どのように人々と共生し、思いを分かち合うべきかーー。
平成最後の桜が咲き誇る大阪で、アジア各国の人々との交錯を描いた物語は、この閉鎖的な状況下だからこそ、私たちの中に大きな爪痕を残すのだろう。

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COME & GO カム・アンド・ゴー 作品概要

監督・脚本・プロデューサー:リム・カーワイ
エグゼクティブプロデューサー:毛利英昭、リム・カーワイ
撮影:古屋幸一
キャスト:リー・カンション、リアン・ビン・フィアット、J・C・チー、モウサム・グルン、ナン・トレイシー、ゴウジ―、イ・グァンス、デビッド・シウ、千原せいじ、渡辺真起子、兎丸愛美、桂雀々、尚玄、望月オーソン、天人純
製作:2020年製作/158分/日本・マレーシア合作
配給:リアリーライクフィルムズ、Cinema Drifters
原題:Come and Go

 

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文/ごとうまき