宇梶剛士、28年ぶりの『GTO』で見せる新境地「今回は役の方が近づいてくれた」

インタビュー

1998年に一世を風靡した伝説の学園ドラマ『GTO』が、主演・反町隆史をはじめ当時のスタッフが再集結し、この夏28年ぶりに連続ドラマとして復活。8月24日(月)よる10時放送の第6話に向け、私立誠進学園の校長・大久保安博役を演じる宇梶剛士さんの合同取材会が行われた。役への向き合い方から、令和の若者たちへの温かなまなざしまで、じっくりと語ってもらいました。

――出演が公表されて1カ月が経ちましたが、周囲の反響はいかがですか。

すごく反響をいただきますね。反響をくれる世代の幅も広くて。僕自身も60代なので、当時ドラマを見ていた同世代からは『やったね』『出世したね』なんて勢いで言われます(笑)

――反町さんとは1999年の映画版『GTO』でも共演されていますが、今回のオファーを受けたときの心境は?

反町くんの人柄は、以前作品でご一緒した経験からよく知っていたので安心感がありました。それに何より“鬼塚”というキャラクターに再び携われること自体が楽しみで。あのキャラクターは本当に唯一無二で確立されているので、セリフを交わすだけでも面白い。だから撮影をずっと心待ちにしていました

――大久保校長は、学園のトップでありながらどこか威厳を示しきれない愛され役です。演じる上で心がけていることは?

幸か不幸か、体が大きいので喋っていなくても画面のどこかに映っちゃうんですよ(笑)。だからこそ、セリフがなくても『役の心情のままそこに立っていられるか』ということを大事にしています

――撮影現場での反町さんとの関係性はいかがですか。

反町くんは、本当に人に緊張を感じさせない人なんです。主演なのに、いつも控室の入り口付近にいて、みんなの近くにいてくれる。誰かが騒ぐわけではないけれど、彼の存在感のおかげで出演者みんなが自然体でいられるんです。教師陣も含めて“仲間の一人”という感覚にしてくれるので、現場の空気がすごくいい。そうやってリラックスした状態から芝居に入ると、それぞれの役者の魅力がちゃんと引き出されるんですよね

――コメントにあった「人の心の中心の部分はそんなに変わっていない」という言葉について、詳しく教えてください。

時代や情報量は変わっても、人と会えて嬉しいとか、言葉にしなくても通じ合える――そういう関係を持てると心は柔らかくなる。逆にコミュニケーションがうまくとれずに誤解されたりすると、心は良くない状態になる。そこは今も昔も変わらないと思うんです。人間の心が劇的に“進化”するわけではなく、人生という時間の中で成熟したり、時に乾いていったりするだけ。宗教的な意味ではなく、人の本質や魂のようなものは時代を超えても変わらないんじゃないかな、という意味を込めました

――今の学生たちを見て感じることはありますか。

とにかく情報量が圧倒的に多い時代ですよね。多すぎてどれを選べばいいかわからなくなるくらい。僕らの時代は情報が少ない分、一つひとつに輪郭やインパクトがありました。“コスパ”や“タイパ”という言葉も今の若い世代ほどよく使いますよね。電子機器が薄く軽くなるのが良しとされるように、人との関わり方まで“軽く”なっていく感覚が身についてしまうのは、果たして幸せなのかな……とは感じます

――現役高校生キャストとの現場でのエピソードはありますか。

このキャスティングの企画自体がすごく好きなんです。芝居の技術云々ではなく、今彼らが持つみずみずしさを“信じて任せる”というスタンスだから。僕自身、高校を3つ渡り歩いた元高校生ですから(笑)、彼らと同じ目線に立てる。会話も『どこ住んでるの?』『あの公園、よく行くよね』くらいの気軽なものです。自分の下の子が25歳なので、感覚としては我が子と話すのと近いかもしれませんね

――大久保校長の背景が今後さらに描かれていくようですが。

役者として、これまでは自分から役に近づけていくアプローチをしてきたつもりですが、今回は役の方からスッと近づいてきてくれた感覚があります

――大久保というキャラクターの魅力はどこにありますか。

僕自身、若い頃は大人が嫌いだったんです。だから今回は『当時の自分が嫌ったような大人にだけはなってたまるか』と思いながら演じています。校長という立場ではありますが、大人だからこそ、子どもたちの姿をちゃんと見つめていたいという姿勢は大切にしています

――もし若い頃、鬼塚のような先生に出会っていたら?

もう、抱きつきたいですね(笑)。僕は体が大きかったので、子どもの頃から誰かにおんぶをしてもらった記憶がないんです。でも心や脳みその繊細さは、体の大きさなんて関係ないじゃないですか。だからこそ、若い頃にそういう大人に丸ごと受け止めてもらいたかったな、とは思います


ライター・後藤
第6話では、優等生・福田樹(柴崎楓雅)が担任交代を訴え、鬼塚がその挑発を受け立つ波乱の展開に。宇梶さんが体現する大久保校長の“威厳とチャーミングさの間”が見せる人間味が、物語に深い味わいを添えてくれそうだ。

取材・文・撮影:ごとうまき
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