「コンサートでもなく、演劇でもない、何者でもないモノ」――『blast ブラスト!』オリジナル版最終章。レジェンド石川直らが語る、次なる進化への決意。

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アメリカ発の究極のエンターテインメント『blast ブラスト!』が、2026年夏、オリジナル版の歴史に幕を下ろす「ファイナルツアー」を迎える。大千穐楽の地は大阪・オリックス劇場。本番を前に、カンパニーを牽引する石川直をはじめ精鋭キャスト5名が、ファイナルへの想いを語ってくれた。

25年の歴史を締めくくり、次へ

1999年の誕生以来、ブロードウェイでトニー賞・エミー賞の2冠に輝いた『blast ブラスト!』。日本初演から作品を支えるパーカッショニスト・石川直氏はファイナルの理由をこう語る。

サブスクやスマホの普及でエンタメのあり方は大きく変わりました。完成されたオリジナルショーは素晴らしい。でも今の時代だからこそ挑戦したい新しいアイデアがある。次のステージへ進化するために、全員でオリジナルを締めくくる決意を固めました」

1日12時間の合宿が生む「超濃密な絆」

舞台上の驚異的なチームワークを支えるのは、想像を超える合宿だ。地元・兵庫出身のトランペット奏者、米所裕夢氏が明かす。

「山形で約1ヶ月半、週6日・1日12時間の住み込み合宿です。3食すべてを共に過ごす。オンもオフもこれだけ濃密だからこそ、強固な絆が生まれます」

トロンボーンのテオ・ガスリー氏も頷く。「ツアーの半分以上を、食事や語らいに費やしています。過去の経験を共有しリスペクトし合うことで、音の繋がりも深まっていく」

 

客席との距離はゼロ。「ロビーパフォーマンス」の熱狂

2回目参加のトランペット・渋田華暖氏は、かつて熱狂的なブラストファンだったという。

「休憩中、パーカッションチームがロビーに降りてきてバケツや椅子を叩くパフォーマンスがあります。子供の頃の私も一瞬で引き込まれました。届ける側として携われるのが光栄です」

終演後は米所氏たちがロビーへ走り、サンバで観客を見送る。「大歓声の中でお客様と『ゼロ距離』になれる瞬間が、翌日の力の源になります」

座席別・観劇の楽しみ方

マルチプレイヤーのジェリエル・ヴァスケス氏が座席ごとの魅力を提案する。

• 前列:奏者の息遣い、指の動き、個別フレーズまで克明に体感
• 1階中盤:スピーカーバランスが良く、全身に「音の壁」を浴びられる
• 2・3階:マーチングフォーメーションの全容と横の仕掛けを俯瞰

「前、真ん中、後ろと3回来てほしい」とキャスト陣は口を揃える。

石川氏がこう締めくくった。「コンサートでもなく、演劇でもない、何者でもないものが『ブラスト』です。事前準備も難しい解釈も一切いりません。ただ会場に来て、爆発するエネルギーを肌で体感してください」

五感を震わせる奇跡のステージ。オリジナル版最後の雄姿を、劇場で焼き付けたい。

【公演情報】
公演名:『blast ブラスト!』大阪公演
日時:2026年8月28日(金)〜8月30日(日)≪全5回≫
会場:オリックス劇場

取材・文・撮影:ごとうまき